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EV車の電源手配について解説

EV

oPPice編集部

EV車の電源手配について解説

EV社用車の電源手配の基礎知識

EV車用電源の種類

標準充電ステーション

標準充電ステーションは、電気自動車(EV)を自宅やオフィスなどの拠点でゆっくり充電するための設備です。ガソリンスタンドの給油機に相当するもので、EVユーザーにとってなくてはならない存在です。
自宅やオフィスなど、いつも利用する場所に設置することで、ガソリンスタンドに行くような手間をかけずに充電できます。

電気料金はガソリン代よりも安いため、ランニングコストを抑えることができます。また、電気自動車は充電する際のCO2排出量が少ないため、環境負荷の軽減が可能です。

例えば、自宅に標準充電ステーションを設置して、寝る前に充電しておけば、翌朝には満タンで出発できます。また、オフィスに設置すれば、出勤中に充電できるので、昼休憩中に充電切れの心配をする必要がありません。

標準充電ステーションは、EVユーザーにとって利便性と経済性の高い充電設備です。

急速充電ステーション

急速充電ステーションは、電気自動車(EV)を短時間で充電するための設備です。F1等で使用されていたクイックチャージャーに相当するもので、長距離移動をするEVユーザーにとって必要不可欠な存在です。

標準充電に比べて数十分で充電が完了するため、長距離移動の際も効率よく使えます。
高速道路のサービスエリアやパーキングエリア、商業施設などに設置されていることが多いため、移動中に気軽に充電が可能です。
例えば、高速道路を利用する営業職の場合、長距離移動中に急速充電ステーションを利用することで、充電時間を大幅に短縮できます。

災害時に停電が発生した場合、自宅に設置された太陽光発電と蓄電池に加え、自家発電設備を備えた充電ステーションがあれば、充電しておいたEVの電力を災害時などに自宅へ供給できます。

急速充電ステーションは、EVユーザーにとって利便性と安心感をもたらす充電設備です。

電源手配のための現状調査

充電インフラの現状分析

充電インフラは急速に整備が進められていますが、EVの普及速度に追いついていないのが現状です。特に、長距離移動に必要な急速充電ステーションの数が課題となっています。

充電インフラが不足している理由として、「初期投資コスト」「設置場所の確保」「電力系統への負荷」の3点が挙げられます。充電設備の設置には、高額な初期投資が必要です。
また、充電設備を設置する場所の確保が難しい場合があります。そして、急速充電ステーションの普及は、電力系統への負荷増加につながる可能性もあります。

例えば、2023年3月末時点で、日本の公共充電器は約3万基です。ガソリンスタンドの数と比べると、まだ十分とは言えません。また、急速充電ステーションは、全体の約3割程度にとどまっています。
充電インフラの整備は、EVの普及にとって重要な課題です。政府や民間企業によるさらなる投資と技術革新による充電設備の低コスト化が期待されます。

電源手配の費用と予算計画

初期設置コストの見積もり

EV充電設備を設置するには充電器本体だけでなく、電源工事も必要です。電源工事の費用は、設置場所や電力容量によって大きく異なりますが、事前にしっかり計画することで予算内に収められます。

電源工事の費用は、「設置場所」「電力容量」「工事業者」の3要素で決まります。設置場所とは、電源の引き込み距離や分電盤の増設が必要かどうかが重要です。
電力容量は、充電器の出力によって必要な容量が決まります。また、工事業者によって費用が異なるため、複数社から見積もりを取ることをおすすめします。

例えば、自宅に普通充電器(6kW)を設置する場合、電源工事の費用は大体200万円程度です。一方、オフィスに急速充電器(50kW)を設置する場合、費用は大体730万円程度になります。

電源工事の費用は、設置場所や電力容量によって大きく異なるため、事前に見積もりを取りましょう。また、補助金制度を活用することで、費用を抑えられますのでチェックしてみるのが良いでしょう。

運用コストの計算

EV社用車の運用コストは、ガソリン車と比べて長期的に見ると安くなる可能性があります。
同じ距離を走行する場合、電気代はガソリン代よりも約3分の1の費用で済みます。また、EVはエンジン車と比べて構造がシンプルで、エンジンオイル交換などの定期的なメンテナンスが不要です。

例えば、燃費が15km/Lのガソリン車の場合、1km走るのに必要なガソリンは0.07Lです。そのため、ガソリン170円/Lの場合、1kmで11.9円のガソリン代がかかります。
電費が150Wh/kmのEV車の場合、電気代25円/kWで考えると1km走るのに必要な電気代は3.75円です。
また、EVはエンジンオイル交換などの必要がないため、年間数万円のメンテナンス費用を節約できるでしょう。

EV社用車の運用コストは、ガソリン車と比べて長期的に見ると大幅に削減できる可能性があります。EV導入を検討する際は初期費用だけでなく、ランニングコストも考慮することが重要です。

政府補助金や税制優遇の活用

EV社用車の導入に政府補助金や税制優遇措置を活用すれば、初期費用を抑えることが可能です。

EVの普及促進のため、国や自治体からEVの購入費用や充電設備の設置費用を補助する制度があります。自動車税・軽自動車税が免税または減税されたり、減価償却費の特別控除を受けることができるなど、税制面でも優遇されています。

例えば、経済産業省の「クリーンエネルギー自動車の普及促進に向けた充電・充てんインフラ等導入促進補助金」では、EV充電設備の購入費用や工事費に対する補助があります。

政府補助金や税制優遇措置を活用して、EV社用車を導入しましょう。

費用が安くなるタイミング

EV充電設備を導入する際は、建物竣工タイミングで手配をすると初期費用を抑えながらスムーズな運用を実現できます。

建物建設と同時進行で電源工事を進めることで足場や重機を共有できるため、別途手配するよりも費用を大幅に削減できます。
建物全体での電力契約と同時にEV用電源を契約できるため、電気料金を抑えられる可能性が高いです。
初期段階で電源容量を十分に確保しておけば、将来EV車が増えても追加工事が不要になって、スムーズな運用が可能です。

例えば、オフィスビルを新築する際に、駐車場にEV充電設備を10台分設置する場合、建物竣工タイミングで電源工事を進めると、別途手配する場合と比べて費用削減が可能になる可能性があります。

将来的にEV車を20台まで増車する場合でも、初期段階で十分な電源容量を確保しておけば、追加工事なしで対応できます。
費用面だけでなく、運用面でも多くのメリットがあります。

電源設置プロジェクトの計画と実行

充電ステーションの設置計画

ベンダーの選定と設置のためのインフラ整備

EV社用車を導入する際、スムーズな運用には充電ステーションの設置計画が不可欠です。適切なベンダー選定とインフラ整備がスムーズな導入と運用を支えます。

充電時間や利用頻度など、社内のニーズに合致した充電設備を選ぶ必要があります。従業員の利便性や電力供給状況などを考慮し、最適な設置場所を選ぶことも重要です。
また、電力容量や電気料金プランなど、電力会社との連携もスムーズな運用に貢献します。豊富な経験と実績を持つベンダーを選ぶことで、計画から設置まで安心して任せられるでしょう。

従業員の利便性を考慮し、オフィスビルや駐車場への設置を検討するのが望ましいです。
電力会社と連携し、EV用電源をまとめて契約することで、電気料金を節約できます。豊富な経験を持つベンダーを選定し、充電設備の選定から設置まで一括で依頼しましょう。

EV社用車を導入する際には、充電ステーションの設置計画をしっかりと立てることが重要です。適切なベンダー選定とインフラ整備により、スムーズな導入と運用を実現できます。計画段階から専門家やベンダーに相談し、最適なソリューションを見つけてください。

設置許可と地域の規制確認

充電ステーションの設置には許可が必要となります。設置場所によっては地域の規制も存在するため、事前に確認しておくことが重要です。

充電設備は、消防法に基づく許可が必要です。設置場所や設備の種類によって、消防用設備の設置が義務付けられたり、必要な許可が異なる場合があるため、事前に確認しましょう。

設置場所によっては、建築基準法に基づく確認申請が必要となります。駐車場や建物の構造に影響を与える場合は、専門家による確認が必要です。都市計画法や景観法などの法令も適用される可能性があります。
また、高圧受電設備を設置する場合は、電気事業法に基づく許可が必要です。

安全基準とアクセス性の考慮

EV社用車を導入する際、充電ステーションの設置には安全基準とアクセス性の両方を考慮する必要があります。安全性を確保しつつ、利用者にとって使いやすい環境を整えることが重要です。

充電設備は感電や火災などのリスクを伴うため、電気事業法や消防法に基づく安全基準を遵守する必要があります。設置場所や充電時間、充電方法などの利便性を考慮することで利用率向上につながります。
誰もが利用しやすいようにバリアフリーにも配慮しましょう。不正利用や情報漏洩などを防ぐため、セキュリティ対策も重要です。

例えば、オフィスビルの駐車場に普通充電器を設置する場合、電気事業法や消防法に基づく安全基準を満たした充電設備を設置する必要があります。駐車場の奥まった場所ではなく、利用しやすい場所に設置しましょう。

24時間充電可能な設備を設置することで、利用者の利便性を向上できます。車いす利用者でも利用しやすいように、充電器の設置位置や操作パネルの高さなどを考慮すると良いです。また、パスワード認証や暗号化通信などのセキュリティ対策を講じましょう。

充電ステーションの設置には、安全基準とアクセス性の両方を考慮する必要があります。利用者の安全と利便性を確保し、スムーズな運用を実現するために、計画段階からしっかりと検討しましょう。

プロジェクト実行のステップ

充電ステーション設置プロジェクトにおいて、ベンダーとの契約は重要なステップです。プロジェクトの成功には、信頼できるベンダーを選定し、適切な契約内容を締結することが重要です。

豊富な経験と実績を持つベンダーを選ぶことで、計画から設置まで安心して任せられます。工事費用や設備仕様、保守内容、保証期間など、契約内容をしっかりと確認する必要があります。

経験豊富なベンダー数社から見積もりを取り、費用やサービス内容を比較検討します。工事費用や設備仕様、保守内容、保証期間などを詳細に確認し、契約書に記載します。

契約前に、ベンダーの過去の施工事例や顧客満足度などを調査しましょう。契約書は双方合意の上で締結し、内容をしっかりと理解しておきます。

充電ステーション設置プロジェクトにおいて、ベンダーとの契約は重要なステップです。

工事スケジュールの管理

充電ステーション設置プロジェクトにおいて、工事スケジュールの管理は円滑なプロジェクト進行に不可欠です。関係者との連携を強化し、突発的な状況にも対応できる柔軟な計画を立てることが重要です。

予期せぬトラブルが発生した場合でも、柔軟に対応できるよう代替案を準備しておくと良いです。定期的に進捗状況を確認し、必要に応じてスケジュール調整を行いましょう。

ベンダーと連携して詳細な工事スケジュールを作成します。電力会社や行政機関と連携して、電力供給の準備や必要な許可を進めましょう。
天候や資材調達などのリスクを考慮し、余裕を持ったスケジュール設定を行ってください。

充電ステーション設置プロジェクトにおいて、工事スケジュールの管理は重要な役割を果たします。

充電設備のテストと調整

充電ステーション設置プロジェクトにおいて、充電設備のテストと調整は、安全かつ安定した運用を実現するために不可欠なステップです。設置後のトラブルを防ぎ、スムーズな運用開始に向けて、入念な確認作業を行う必要があります。

感電や火災などのリスクを防ぐため、電気設備の安全性を徹底的に確認しましょう。充電設備が正常に動作することを確認し、異常があれば調整を行います。

電力会社や社内ネットワークとの接続などを確認し、問題がないことを確認しましょう。充電設備の使用方法や保守方法などを記載した運用マニュアルを作成し、関係者に周知徹底します。

例えば、駐車場に普通充電器10台と急速充電器2台を設置する場合、電気工事会社に依頼し、電気設備の安全性を徹底的に確認してください。充電器の電源投入、充電開始・停止、エラー表示などの動作確認を行います。

電力会社や社内ネットワークとの接続を確認して、充電設備の管理システムが正常に動作することを確認します。充電設備の使用方法や保守方法などを記載した運用マニュアルを作成し、従業員に配布しましょう。

安全性を確保し、スムーズな運用開始に向けて、入念な確認作業を行うことでプロジェクトを成功に導くことができます。

運用開始後の管理

充電インフラの維持管理

EV社用車を導入するなら、充電ステーションの設置は不可欠です。しかし、設置後の維持管理も軽視できません。充実した充電インフラを実現するためには、設置後に故障やトラブルがおきないための定期的な点検が必要です。

EV社用車はガソリン車とは異なり、充電が必要です。充電ステーションは、EVをスムーズに運用するために必要不可欠なインフラです。

例えば、充電ステーションは屋外に設置されることが多いため、雨風や雪などの影響を受けやすいです。定期的な点検によって故障を未然に防ぎ、安全性を確保できます。

また、充電コネクターの故障や充電エラーなどのトラブルが発生した場合、迅速な対応が必要です。迅速な対応によってEV利用者の利便性を向上させ、EV社用車の導入効果を最大限に引き出せます。

長期的な視点で、計画的な維持管理体制を構築することが重要です。

電力供給のモニタリング

充電ステーションを安定稼働させるためには、電力供給のモニタリングが不可欠です。電力状況を把握することで、トラブルを未然に防ぎ、スムーズな運用を実現できます。

EV社用車の充電は、電力会社からの電力供給に大きく依存します。電力供給が不安定だと、充電ステーションが停止したり、充電時間が長くなったりする可能性が高いです。
電力供給のモニタリングは電力使用量や電圧、周波数などを監視することで、電力供給の異常を早期に発見し、適切な対応を取ることができます。

例えば、電力使用量が想定を超えて増加している場合は、電力供給不足につながる可能性があります。モニタリングによって電力使用量の増加を早期に発見すれば、電力会社への増設依頼やピーク時の充電制限など、適切な対策を講じることが可能です。

また、電圧や周波数の異常は、充電設備の故障や停電の原因となる可能性があります。モニタリングによって異常を早期に発見し、迅速な対応を取ることによってトラブルの拡大を防ぎ、EV利用者の利便性を向上させることが可能です。

充電ステーションの安定稼働は、EV社用車の普及にとって重要な課題です。電力供給のモニタリングは、安定稼働を実現するための重要なツールであり、企業は積極的に導入していくことをおすすめします。

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