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社用車のEVバッテリーについて解説

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oPPice編集部

社用車のEVバッテリーについて解説

社用車のEVバッテリーの基礎知識

EVバッテリーについての基本情報について説明します。

EVバッテリーの種類と特性

EVバッテリーは、繰り返し充電が可能な二次電池と呼ばれる、リチウムイオン電池やニッケル水素電池が使用されています。

リチウムイオン電池のメリット

リチウムイオン電池は現在の主流です。メリットについて説明します。

  • ・エネルギー密度がニッケル水素電池に比べて高く、同じ重量のバッテリーならばより多く蓄えることができる。
  • ・大きさ・重量がニッケル水素電池に比べて、小型化や軽量化を実現している。
  • ・充電時間がニッケル水素電池に比べて短く、短時間での充電が可能である。

ニッケル水素電池のメリット

続いて、ニッケル水素電池のメリットについて説明します。

  • ・価格がリチウムイオン電池に比べて、比較的低コストで入手できる。
  • ・寿命においては、耐久性があるため繰り返しの充放電に強く、長期間使用しても性能が低下しにくい。
  • ・リチウムイオン電池に比べて少ないため、放置していても電力が長持ちする。

異なる容量と性能の選択肢

EVバッテリーの容量は「自動車の航続距離」「加速性能」「充電時間」などに大きく影響します。「kWh(キロワットアワー)」で表され、1時間当たりに取り出せる電力量を示します。数値が大きいほど性能は高く、長時間走ることができ、加速性能が高まります。

ただし、容量が大きくなるほど重量も重くなるので、その分、電費と言われる内燃エンジン車でいうところの燃費は悪化します。同じ車種でも、容量の選択肢がある場合がありますので、自社のニーズに最適な商品を選ぶことが重要です。

バッテリー寿命と維持管理

一般的に、容量が70%を切った時が寿命と言われています。寿命と言っても完全に使用できなくなるわけではなく、徐々に劣化してパフォーマンスの低下が発生します。走り方や充電の仕方によって異なりますが、5〜8年程度、走行距離でいうと5万km〜10万km程度が目安になります。自動車メーカー各社は、容量保証を打ち出していますが、メーカーにより期間と距離は異なりますので確認が必要です。

推奨される充電方法ですが、フル充電を100%とした時に、10%以下まで電気を使い切ってしまうと、劣化が進みやすくなります。繰り返しの継ぎ足し充電で少しずつ電気を補充し、100%までフル充電するのではなく、80%を目安に切り上げたほうが劣化しません。

バッテリー価格の傾向

現在、価格は下落傾向にあります。その要因は数多く、「政府の補助金」「競争の激化」「バッテリーケミストリー(電池に用いる電極や電解液の種類の組み合わせ)の改善」「EVバッテリーの原材料価格が下がったこと」などが挙げられます。

世界情勢によってコストが変動したり、新車の車両価格に転嫁される場合がありますので、その時々の相場を見極める必要があります。

EVバッテリーサプライヤー

EVバッテリーサプライヤー

EVバッテリーを生産販売しているメーカーは多くあります。どのように選べばよいでしょうか。

信頼できるバッテリーサプライヤーの選び方

信頼できるサプライヤーを選ぶにはどのようなポイントがあるのか、評価すべき項目について説明します。

市場での評判と信頼性

市場シェアは、サプライヤーのもっている競争力を表し、信頼性の一端を表わしているといえます。現在の市場シェアについては後述します。

製品の品質と耐久性

もちろん、製品自体の品質や耐久性も選定基準の1つとなります。製品の品質を評価するには以下の項目を確認しましょう。

  • ・性能:「エネルギー密度」「充電速度」「放電速度」などの性能指標を確認する。
  • ・耐久性:EVバッテリーの寿命や劣化速度を評価する。充放電サイクル数や特定の条件下での性能変化などによって測定される。
  • ・安全性:「過充電」「過放電」「高温」などの過酷な条件下で安全に動作するかどうかを確認する。
  • ・コスト:EVバッテリーの製造コストや、寿命全体でのコスト効率を考慮する。

サポートとアフターサービス

サポートやアフターサービスが充実しているかも確認するようにしましょう。EV自動車の所有者が安心したカーライフを過ごせるように、自動車メーカー各社は、性能と寿命を保証しています。メーカーやモデルによって具体的な保証内容は異なりますので、販売店やWEBサイトの問合せ窓口を通じて確認するのがおすすめです。

EVバッテリーサプライヤーの現状

現在の動向について解説します。

業界トップのサプライヤー

2023年の情報で、業界のシェアは以下の通りです。

  • 1位:CATL(中国)37%
  • 2位:BYD(中国)16%
  • 3位:LG Energy Solutions(韓国)14%

日本のメーカーではPanasonicが、シェア7%で4位にランキングされています。

グリーンイニシアティブへの取り組み

グリーンイニシアティブは、地球温暖化や気候変動などの環境問題解決に貢献するだけではなく、持続可能な社会の実現にもつながる重要な取り組みです。企業は、環境に配慮した製品やサービスの開発と供給、環境負荷の低減に向けた取り組みなどを行っています。具体的には「リサイクル推進」「再生可能エネルギー使用」「カーボンニュートラル実現」などの取組が挙げられます。

EVバッテリーの技術革新

現在、「全固体電池」が注目されています。「全固体電池」には、以下のような特徴があります。

  • ・安全性:固体電解質の採用で、液漏れや発火のリスクが低減する。
  • ・高容量・高出力:固体電解質の採用で、イオンが速く動くことが可能となり、充電時間の短縮、航続距離の拡大、高出力化が可能になる。
  • ・長寿命:固体電解質は化学的に安定しているため、副反応が起こりにくく、材料が劣化しにくい。これにより寿命が長くなる。
  • ・小型化:固体電解質は薄型の形状を採用できるなど自由度が高く、何層にも重ねることで小型化を図ることが可能になる。

日本は電池技術に関する特許出願数において世界トップクラスです。全固体電池の開発においても先行しています。他国に追いつかれないように、日本政府は数千億円規模の生産開発補助を検討するなど、支援の動きを表明しています。

EVバッテリー手配における法規制と補助金

EVバッテリー手配における法規制と補助金

EVバッテリーに関する法律は様々あります。また、国を挙げて推進していますので、多くの補助金も存在しています。それぞれについて説明します。

EV関連の法的要件

EVバッテリーに関する規制は国内外にあります。

EVバッテリーに関する規制

電気用品安全法(PSE)は、電気用品の製造、輸入、販売等を規制する法律です。電気用品の安全性を確保し、民間事業者の自主的な活動を促進することにより、電気用品による危険や障害の発生を防止しています。

安全基準と認証プロセス

PSEは届出事業者に対して、以下のような規制を設けています。

  • ・基準適合義務:電気用品を製造し、または輸入する場合において、技術上の基準に適合するようにしなければならない。
  • ・検査記録の作成と保存義務:電気用品について自主検査を行い、検査記録を作成し、保存しなければならない。
  • ・表示義務:基準適合義務等に違反していない場合には、電気用品にPSEマークを表示しなければならない。

政府補助金と税制優遇

EV電気自動車の普及を後押しするために、国や各自治体は、補助金と税に関する優遇策を打ち出しています。

EVバッテリー購入の補助金プログラム

国の補助金には「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」があります。対象車を購入する個人や法人、地方公共団体等が、普通車であれば新車新規登録、軽自動車であれば新車新規検査届出をすることで適用となります。適用は自家用の車両に限ります。

税制優遇と企業のインセンティブ

EV自動車にかかる税金は「グリーン化特例による自動車税の軽減」「エコカー減税による普通車自動車重量税の軽減」「燃費や排出ガスから環境性能を区分し税率が軽減される環境性能割」の3種類あります。いずれもガソリン車と比べて税制優遇を受けられます。

地域別の補助金情報

都道府県や市町村などの各自治体によって、独自に補助金を設定している場合があります。具体的な補助金額や申請方法については、各自治体の窓口やWEBサイトで確認が必要です。

環境規制と企業の責任

経済活動を行う企業には、利益追求だけではなく、人類が生きていくための持続可能な社会の構築、地球環境の保全が求められています。

カーボンフットプリント削減の取り組み

カーボンフットプリントとは、ある商品やサービスが温室効果ガスをどれだけ排出しているかを示す尺度のことです。商品やサービスのサプライチェーン(原材料の調達から製造・流通・消費・廃棄に至るプロセス)の各工程でカーボンフットプリント(炭素の足跡)が分かるように、二酸化炭素量を指標で表わします。企業は「環境負荷に対する意識や倫理観の向上」「企業経営の格づけ」「イメージ向上」のため削減に取り組んでいます。

環境保護に関するコンプライアンス

企業は、環境条約や環境制度などの社会的ルールを守るため、「排出ガスの管理」「廃棄物の処理」「化学物質の使用」など、環境に関する取り組みをしています。これらは企業の社会的責任(CSR)の一環とも言えます。

グリーンイメージの構築

企業は「社会的評価向上」「企業イメージ向上」「環境に即した製品への社会需要」「新規市場の開拓と競争力の強化」「環境に貢献する企業で働いていることへの誇りとモチベーション上昇」などを達成させるために環境問題へ取り組み、環境への優しさをアピールしています。

まとめ

今後ますますEV自動車のシェアは拡大していくと予想されます。EV自動車を導入することで、環境に配慮しながらコスト削減を実現できる可能性があります。自社のニーズを分析して、社用車購入時の選択肢にEV自動車を入れてみてはどうでしょうか。

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