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社員が飲酒運転をしてしまったら?飲酒運転の基準や会社の責任について解説

oPPice編集部

社員が飲酒運転をしてしまったら?飲酒運転の基準や会社の責任について解説

飲酒運転は、悲惨な交通事故の主要因であり、社会的に深刻な問題です。「少量なら大丈夫」と誤解している人もいますが、微量のアルコールでも運転能力に影響を及ぼす可能性があります。

企業にとって、従業員の飲酒運転は単なる個人の問題ではありません。企業も責任を問われる可能性があり、刑事責任や民事責任、行政責任、企業イメージの低下などのリスクが存在します。そのため、企業は従業員の飲酒運転を防ぐための対策を講じる必要があります。

この記事では、飲酒運転の基準や罰則、企業の責任と対策について解説します。また、アルコールチェックの実施、ドライブレコーダーの導入、処分基準の明確化など、具体的な対策についても触れています。これらの対策を適切に実施することで、飲酒運転のリスクを大幅に低減できるでしょう。

飲酒運転の基準は?

飲酒運転の基準がどのようなものかを説明していきます。

酒気帯び運転

身体にアルコールが残っている状態での運転を指します。

具体的には、呼気1リットル中のアルコール濃度が0.15ミリグラム以上で違反となり、その際には厳しい法的措置が取られます。罰則は3年以下の懲役または50万円以下の罰金とされており、場合によっては免許停止などの行政処分が科されることもあります。

たとえ事故を起こさなくても、検問で基準を超えていると判断されれば法的措置が行われます。酒気帯び運転のリスクを理解し、たとえ少量であっても、飲酒後の運転は絶対に避けましょう。「少し寝たから大丈夫」といった安易な考えでは、重大な事態を招く可能性があります。

酒酔い運転

アルコールの影響で正常な運転がほぼ不可能とされる状態を指します。この状態では自制が働かず、非常に危険な状況を引き起こします。

具体的には、直線をまっすぐ歩けなかったり、正常な会話ができなかったりといった明確なアルコールの影響が見られます。罰則は、酒気帯び運転より重く5年以下の懲役または100万円以下の罰金が科され、免許も取り消されます。

この場合、3年間は再取得が認められません。酒酔い運転は酒気帯び運転よりも深刻な罪であることを強く認識し、絶対に避けなければなりません。

アルコールが分解されるのにかかる時間

では、アルコールが分解されるのにはどのくらいの時間がかかるのでしょうか。

ビール中瓶1本や日本酒1合は約20g、サワー1杯は約14gの純アルコールを含んでいます。体重60kgの成人男性を基準とした時の目安として、体重1kgにつき1時間に0.1gの純アルコールを分解する能力があるとされます。会食でビールとサワーを飲むと6時間程度と、完全にアルコールが分解されるには時間を要します。

個人の体質やその日のコンディションにより異なりますが、たとえ飲酒量が少ないと感じても、運転に影響を及ぼす可能性があることを理解し、運転の予定がある場合は飲酒を避けることが重要です。一杯の酒が取り返しのつかない事態を招く可能性を強く認識する必要があります。

飲酒運転の罰則や具体的な数値などについてはこちらの記事もご覧ください。
https://oppice.parkingmarket.co.jp/article/manegement/1042/

社員が飲酒運転をした時の会社の責任

基本的に従業員がプライベートで飲酒運転をした場合、会社が責任を問われることはありません。しかし場合によっては責任を負わなければならない場合もあります。

刑事責任

飲酒運転による事故が発生した場合、特定の状況下では会社に刑事責任を問われる可能性があります。企業の管理や指導が不十分で、従業員の飲酒運転を未然に防げなかった場合、会社が共犯と見なされるのです。

特に「車両等提供罪」が成立すると、会社の代表者や運行管理者が刑事責任を負う可能性があります。この罪は、車両の名義や所有権にかかわらず、従業員が酒気を帯びていることを知りながら運転を容認した場合に成立します。たとえば、会食で従業員が酒を飲んでいたことを知りながら自動車の鍵を渡したり、ほんの一口飲んだだけだからと運転を黙認したりする場合に当てはまり、3年以下の懲役または50万円以下の罰金が課せられます。

企業は法律を遵守し、従業員に対する適切な監督を行う必要があります。飲酒運転を防ぐための社内管理体制の強化が求められるのです。

民事責任

飲酒運転による事故が発生した場合、民事責任を負う可能性があります。

特に従業員が業務中に飲酒運転をし、他者に損害を与えた際には、勤務先の企業も賠償責任を問われるでしょう。法律上、企業は運行供用者とされるため、従業員の運転行動を管理・統制する立場にあるからです。

このため、事故を起こした従業員個人のみならず、その雇用主である企業にも法的責任が及ぶことがあるのです。また、会社が飲酒運転を許可または黙認したと認められる場合、その責任は重大化します。

行政責任

飲酒運転を防ぐための適切な措置を講じていない場合、行政からの指導や処分を受ける可能性があります。企業が社会的責任を果たさない場合、特に飲酒運転防止の教育や対策を怠ると問題視され、行政法規に違反し損害や被害を与えた際には、企業には行政上の責任が生じます。

たとえば、貨物運送事業などを展開する会社の従業員が飲酒運転を起こした場合には、行政は違反の内容に応じて一定期間の車両使用禁止処分や事業停止処分などの厳しい措置を講じることがあります。企業は従業員に対する適切な教育と管理を徹底し、飲酒運転の未然防止に努める必要があります。

その他の責任

従業員が飲酒運転による事故を起こすと企業全体の信頼を揺るがし、取引先や顧客との関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。

飲酒運転が厳罰化される現代において、社会的にインパクトの大きい事件や事故は、会社のイメージや信用を著しく損ないます。そして、一度失われた信用は、法的責任を果たしても簡単には回復しないことが多く、SNSや口コミでの評価が低下するという形で社会的な制裁を受けることも考えられます。

このような事態を防ぎ、失った信用を取り戻すためには、徹底したコンプライアンスの強化や飲酒に関する従業員教育が欠かせません。

飲酒運転を防ぐために会社がすべき対策

従業員の飲酒運転を防ぐために、会社はさまざまな対策を講じる必要があります。

アルコールチェックを徹底して行う

定期的に従業員に対するアルコールチェックを実施し、飲酒運転を未然に防ぐ体制を整えます。

特に業務用車両を運転する従業員に対して厳格なアルコールチェックを実施することが必要です。始業前や終業後にアルコールチェックを義務付けることで、従業員の安全運転を確保できます。これは飲酒運転のリスクを最小限に抑えるための有効な方法です。

アルコールチェックの実施は企業の社会的責任を果たし、安全な職場環境の維持にも寄与するのです。たとえば、アルコールチェッカーを各営業所に設置し、従業員が自主的にチェックできる環境を整備することも効果的でしょう。近年では、スマートフォンと連携したアルコールチェックシステムも普及しており、より簡単で確実な管理体制を構築することが可能になりました。

また、従業員に対して定期的な研修やミーティングを実施し、飲酒運転の危険性や社会的影響について従業員の理解を深めることが重要です。アルコールが体内で分解される時間や、消化できていないアルコールの危険性についても、具体的な数値を示しながら啓発を行うことで、より実効性の高い飲酒運転防止策を実現できます。

アルコールチェックについてはこちらの記事もご覧ください。
https://oppice.parkingmarket.co.jp/article/manegement/1042/

ドライブレコーダーを導入する

業務用車両にドライブレコーダーを導入し運転状況を記録することで、飲酒運転を含む安全運転の促進に繋がります。

ドライブレコーダーは映像証拠になり、事故発生時でも迅速で適切な対応を可能にします。これにより、従業員の安全運転意識が向上し、飲酒運転の抑止効果も期待できます。

また、安全運転支援機能付きのドライブレコーダーは危険な運転行動を記録し、それを振り返ることでドライバー自身の運転の癖や苦手な場面を客観的に把握できます。管理者にとっては、個々の運転状況を詳細に確認し、指導やサポートを行うための有効なツールとなります。

運転時の様子が常時記録されることにより、ドライバーは自然と安全意識を高めることができます。こうした取り組みは、会社全体の運転マナー向上にも大きく貢献するでしょう。

ドライブレコーダーについてはこちらの記事もご覧ください。
https://oppice.parkingmarket.co.jp/article/manegement/1054/

飲酒運転した場合の処分について公表する

従業員の飲酒運転を未然に防ぐため、企業は飲酒運転の処分基準を明確にし、社内で周知徹底することが求められます。具体的な処分内容を公表することは、飲酒運転に対する強い抑止力となるからです。

業務中の飲酒運転は懲戒処分を避けられませんが、重要なのはプライベートでの行為も処分につながることを明確に示すことです。そのため、就業規則や労働契約書にこれを明記し、全従業員にしっかり理解させることが求められます。たとえば、免許停止処分を受けた場合は降格、免許取り消し処分の場合は諭旨解雇といった具体的な基準を示すことで、従業員の意識改革につながります。こうした飲酒運転の防止策の取り組みを徹底的に講じ、従業員の意識を高めます。

そして、この方針を内部だけでなく外部にも公表することで、組織全体としての責任感をさらに強化し、社会的な信頼を築き上げることが期待できます。飲酒運転は個人の問題にとどまらず、会社の信用も大きく損なう行為であることを従業員一人ひとりが認識しなければなりません。

まとめ

この記事では、飲酒運転の基準や罰則、企業の責任、そして防止対策について解説しました。

飲酒運転は企業や従業員の生活に深刻な影響を与える重大な違反行為です。飲酒運転の基準として、酒気帯び運転と酒酔い運転がありますが、どちらも厳しい罰則が設けられています。企業は従業員の飲酒運転がさまざまな責任につながる可能性があることを認識し、対策を講じる必要があります。

飲酒運転の防止には、従業員の意識改革と企業の取り組みの両方が不可欠です。一人ひとりが飲酒運転の危険性を理解し、「絶対にしない、させない」という強い意識を持ち、積極的に取り組むことが重要です。飲酒運転のない安全な社会を実現させましょう。

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