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車両管理表とは?記載内容や運用方法について解説

oPPice編集部

車両管理表とは?記載内容や運用方法について解説

車両管理表とは?

車両管理表は、企業や団体が所有する車両を、効率的に管理するためのツールです。この表を用いることで、車両の運用状況、整備履歴、保険の加入情報などを一元的に把握することが可能です。

特に、リスク回避やコスト削減の面で大きなメリットをもたらします。車両の状況を正確に記録することで、事故や故障の予防にもつながります。

さらに、安全義務を果たしつつ、最適な経済効率を実現するための基盤ともなります。多くの企業では車両管理規程で作成が定められ、活用されています。

車両管理表を作成する目的

車両管理表を作成する目的について説明します。

リスク回避のため

車両を管理するうえで、事故やトラブルを未然に防ぐことは非常に重要です。

車両管理表を作成し、定期的な点検や整備の記録を残すことで、車両の状態を正確に把握できます。これにより、日々の運行における車両の状態を把握し、予期しない故障や事故を防ぎやすくなります。

企業が従業員に業務として車両を使用させる場合、交通事故は完全には避けられないリスクですが、車両管理表を活用することで整備不良による事故を減少させることができます。車両が安全な状態で運行されることで、ドライバーのみならず他の道路利用者への安全も確保できるのです。

また、もし事故が発生してしまった場合でも、車両管理表を通じて過去の整備内容や点検履歴を即座に確認できれば、迅速かつ適切な対応が可能です。そして、そうした情報は、会社が管理責任を果たしている証ともなりえます。企業のイメージを守るためにも、また法的問題を未然に防ぐためにも、リスク管理は重要な任務です。

コスト管理のため

車両の運用には、燃料費や保険料、メンテナンス費用など、さまざまなコストが発生します。これらの費用を正確に把握し効率的に管理するためには、車両管理表が有用です。これらのコストを明確に記録し、無駄な支出を削減する手立てを講じることができるからです。

車両管理は、費用を記録するだけでなくそのデータを分析することによって、より効率的な運用方法を導き出す手段となります。

たとえば、燃料費の使用状況を詳細に分析することで、燃費の向上に向けた対策を見つけ出せることがあります。また、定期点検やメンテナンス計画を適切に管理することで、突発的な修理費用の発生を抑制することも可能です。

このように、車両管理表によって得られたデータを活用し、コスト構造を可視化することで、全体的なコスト削減につながります。

車両管理表の作成は義務?

法律的には、車両管理表の作成が義務づけられているわけではありません。

しかし、特に商業用車両を運用する企業にとって、適切な車両管理の実施は重要です。運輸業界や特定の業種には、車両の点検記録や運行記録の保存義務があります。これにより、車両管理表の作成が実質的に求められている状況です。

具体的には、民法第715条における使用者責任が関係しています。これは、従業員が業務上の活動中に事故を起こした場合、会社が責任を負う可能性があるという規定です。従業員が事故を起こした時のためにも、車両管理帳を作成することが望ましいでしょう。たとえ法律で義務づけられていなくても、企業としての責任を果たすために必要な手段といえるからです。

また、道路運送車両法第74条の3では、車両の整備点検を行う義務が定められています。これを遵守するためには、しっかりとした記録の保存が必要です。車両が適切に管理されていないと、重大な事故に発展するリスクがあり、その際には悪質とみなされ、刑罰が重くなる可能性があります。そのため、安全管理の一環として適切な車両管理表を作成し、車検や自賠責保険の有効期限を管理することをおすすめします。

車両管理表に記載する内容

車両管理表には、さまざまな情報が記載されています。以下に主な記載内容を紹介します。

車両の基本情報

車両管理表は、所有している車両を特定できる情報を記載する必要があります。

車両の本体に関する情報

登録番号や車名といった基本情報に加え、車台番号(車体番号)や車両の色も記録されます。これにより、どの車両に関する情報なのかを瞬時に把握することができ、管理業務を円滑に進めることが可能になります。

車両の購入に関する情報

車両の購入に関する情報も欠かせません。具体的には、購入日時や購入先、そして新車か中古かの区分、購入代金やリース契約に関する詳細も記録されます。さらに、廃車やリース契約の解約日情報も今後の車両管理に役立つことでしょう。

車両の状態がわかる情報

車両管理表には、車両の使用状況やメンテナンス履歴を詳細に記載するようにします。

車検や整備に関する情報

車検の有効期間や実施された定期点検の詳細、さらに整備工場の名称や場所、整備の状況などが記載されます。この情報を正確に記録することで、車両の適切な保守状況を確認することが可能です。

修理や事故に関する情報

修理歴や修理箇所、修理理由などが重要となります。また、事故が発生した際には、その日時や状況、関係者、処理の進行状況と結果を記録することが必要です。

使用や管理に関する情報

車両を使用する部署やドライバーの名前、使用者や管理者の変更履歴を記録することで、車両の管理が確実に行われているかを確認できます。また、運行日や目的、走行した距離などを記録することにより、日々の運用状況が把握できます。

車両の保険に関する情報

車両を安心して使用するためには、保険に関する情報が欠かせません。車両の保険に関する情報は、自賠責保険・任意保険別に記載します。記載する項目の詳細は、以下の通りです。

自賠責保険

車両管理表に記載する自賠責保険情報は、契約日や満了日を示す保険年月日のほか、担当する保険会社と証券番号が含まれます。また、保険金額も重要な要素のひとつです。これらの情報は、車両が各種事故に対する法定の保険に加入している証拠となります。

任意保険

車両管理表に記載する任意保険情報は、多岐にわたります。まず、保険会社の名称や、該当する保険の証券番号が必要です。これにより、保険契約の特定が容易になり、いざという時の対応が迅速に行えます。

また、保険期間を明記しておくことで、契約の有効期限を常に把握でき、更新のし忘れを防止します。さらに、保険代理店の情報や保険内容、保険金額など、契約の詳細も記載するようにしましょう。

車両管理表の保存期間

車両管理表は法的な要件や企業の内部規定に基づき、一定期間保存する必要があります。整備記録や点検記録の適切な保存は事故発生時の重要な証拠となるため、慎重に保管しなければなりません。

通常、これらの記録は3年から5年間保存するのが望ましいとされていますが、具体的な法律による明確な保存期間の定めはありません。

しかし実務的には、運送事業輸送安全規則に基づき、警察が車両管理表を1年間保管するよう指導していることもあり、最低でも1年間は保存するべきでしょう。

また、この表にはドライバーに関する情報も含まれるため、労働基準法の視点から3年間の保存が必要と解釈することも可能です。このことから、保存期間の判断が難しい場合には、車両の廃棄や売却まで保持しておくことも一つの方法です。

車両管理表の運用方法

車両管理表は、実際にどのように運用するかによって、その効果が大きく変わります。以下に代表的な運用方法を紹介します。

紙を使う

車両管理表を運用する最も基本的な方法は、紙の帳票での管理です。特別なツールやコストが不要なため、手軽に始められるのも魅力です。しかし、紙の帳票にはいくつかのデメリットも存在します。

たとえば、車両の台数が増えると管理が煩雑になり、情報の検索や整理が困難になります。また、記入ミスや紛失のリスクもあります。さらに、表に記録された情報をもとに別の資料を作成する場合には、データの再入力が必要になるため、二度手間に感じられるでしょう。しかも、大量のデータを管理するためには、保管スペースも考慮しなければなりません。

手書きでデータを記録しておけば情報を視覚的に確認できるだけでなく、最初の導入が簡単であるため、まだ紙ベースでの管理が採用されるケースも多くあります。紙の帳票のメリットとデメリットを理解し、適切に管理することが重要です。

エクセルやスプレッドシートを使う

エクセルやスプレッドシートを用いた管理は、紙の帳票に比べ、効率的な手段として多くの企業に採用されています。一から車両管理表を作成する場合でも、インターネット上には多くのテンプレートが提供されており、簡単に導入が可能です。

テンプレートは記入例が掲載されていることが多く、初めてでもスムーズに運用開始できます。スプレッドシートを使用すると、リアルタイムでのデータ更新や共有が可能で、設備や教育にかかるコストも抑えられるのが魅力です。

一方で、デメリットも存在します。ネット環境によって使用が制限されたり、詳細な分析や集計を行ったりするためには一定のスキルが求められます。また、計算式や関数の使用には知識が必要となり、入力ミスやファイル破損のリスクも考慮しなければなりません。このため、バックアップの体制をしっかりと整えることが重要です。

さらに、インターネットからテンプレートをダウンロードする際には、信頼性の高いウェブサイトから取得することで安全性を確保できます。セキュリティ面でのリスク管理も欠かせません。特に、大容量のデータを扱う場合は管理が煩雑化しやすいため注意が必要です。

基本的な管理機能と簡単な分析ができれば十分という企業にとっては、エクセルやスプレッドシートを活用した車両管理は非常に有効な方法といえるでしょう。

システムを導入する

最近では、専用の車両管理システムを導入する企業が増加しています。システムを活用することで、企業は運行管理や整備履歴の記録を一元的に管理でき、コスト分析の自動化も可能になります。

クラウド型システムを導入すれば、複数の拠点から情報にアクセスできるため、迅速な情報共有が実現します。また、データを視覚化することで、コスト削減や事故歴、修理履歴の管理が容易になり、業務効率が向上します。

人為的なミスを防ぐことも、車両管理システムの大きなメリットです。情報の入力がシステム化され自動で車両情報を更新できるため、入力エラーを大幅に減少させられます。

安全運転管理者によるアルコールチェックの実施と記録が法的に求められ、企業の車両管理に対する要求は高まっています。こうした背景から、車両管理システムへの投資は企業にとって必要な経費と考えられています。

紙の帳票やエクセル、スプレッドシートと比較すると、システムには導入や維持に費用がかかります。しかし、長期的には業務効率の向上が期待できるため、初期投資の価値があるといえるでしょう。

車両管理についてはこちらの記事もご覧ください。
https://oppice.parkingmarket.co.jp/article/maintenance/924/

まとめ

車両管理表は、企業や団体が車両を効率的に管理するために必要なツールです。リスク回避やコスト管理を目的とし、さまざまな情報を記載して運用することで、より安全で効率的な車両運用が可能になります。保存期間や運用方法を適切に管理すれば、企業の安全性と経済性を高めることができるでしょう。車両管理表をしっかりと運用して、安全で効率的な車両管理を実現していきましょう。

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