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社用車の各種解約手続きについて解説

oPPice編集部

社用車の各種解約手続きについて解説

社用車保険の途中解約プロセス

自動車保険の内容やコストを精査して新しい保険への契約切替えに至った時には、現行の自動車保険を途中解約する必要があります。その際に注意する点について説明していきます。

保険契約の確認と解約規定の理解

契約している現行自動車保険の内容を確認し、特に解約条件については明確にしておきます。

契約内容の詳細確認

自動車保険の契約をすると保険会社から「保険証券」が渡されます。「証券番号」「保険期間」「保険料」「契約者」「対象となる運転者」「対象となる自動車」「補償内容」などの詳細について確認が可能な書類です。保険会社によってはペーパーレスの場合がありますが、その場合にはWEBページにログインし確認するようにします。

解約に関する規定と条件の把握

解約規定や条件は保険会社によって異なりますが、契約時に渡された上記の「保険証券」「保険契約書」「重要事項説明書」のいずれかに明記されていますので確認できます。 書類で確認できない場合には、保険会社に直接確認することも可能です。

解約に伴う財務的影響の評価

一般的に途中解約による違約金は発生しませんが、保険会社や保険内容により発生する場合がありますので確認が必要です。その他、以下のようなデメリットが生じる可能性があります。

  • ・保険料の払い戻し金が少なくなる。
  • ・等級が上がるタイミングが遅くなる。
  • ・無保険期間が生じるリスクがある。

解約手続きの実施

実際の解約手続きはどのように進めるべきか、順を追って説明していきます。

解約時の手続きステップ

解約手続きのフローですが、始めに保険会社へ解約する旨を連絡し、解約申し込み書を受領し作成します。次に申し込み書と保険証券を合わせて、保険会社に郵送または手渡しで届けます。具体的な手続きは保険会社により異なる場合がありますので、指示に従い進めていきます。

保険会社とのコミュニケーション

解約手続きは契約者本人が行う必要があります。社用車の場合には担当部署が行います。現行保険の解約希望日や新保険の開始日をしっかりと保険会社の担当者に伝えましょう。保険の補償が途切れないように注意が必要です。

解約後のフォローアップ

解約が無事に完了した後にも、実施すべき事柄はありますので、確認して抜け洩れなく対応するようにします。

解約後の保険証明書の管理

自動車を廃車して新車の納車まで時間がかかる場合や、引越しや長期の海外赴任などで一時的にクルマを手放す場合には、解約する際に「中断証明書」を取得するようにします。なぜなら取得すると約10年は現在の等級を維持でき、新しく保険契約した場合でも以前の等級からスタートし保険料が安くなるメリットがあるからです。 ただし、保険会社によって解約時点の等級維持や申請のタイミングなどの条件が異なりますので、詳細について確認することが重要です。

返金の受領と確認

保険会社に申請した解約手続きが受理されると、解約完了の通知や解約払戻金の振込などが行われ、一連の手続きは完了となります。

代替保険オプションの検討

現在契約している保険の解約日は、新たな保険の開始日と同日にしなければなりません。なぜなら新たな保険の開始日が、旧保険会社の解約日より遅くなった場合、保険に入っていない空白の期間ができてしまうからです。 その期間は任意保険の補償がなく自賠責保険のみの適用になります。自賠責保険は補償範囲が狭く、場合によっては補償金や修理費用などを自己負担しなければならない可能性も出てきます。

車両の名義変更手続き

社用車を他者に譲渡する際の手続きは非常に煩雑です。円滑に名義変更できるように、確認するポイントについて説明していきます。

新所有者情報の確認

譲渡する相手が正体不明なままで社用車を譲渡することは大きなリスクが伴いますので、事前に情報を集めます。

譲渡先情報の収集と確認

譲渡を検討する場合には「氏名」「住所」「連絡先」などの基本情報を確認します。名義変更の手続きに必要となりますので確実に取得します。

車両の現状と譲渡条件の確認

譲渡する車両の「外観」「内装」「エンジン周り」「足回り」「走行などコンディションに」に支障がないか、車検証と実車は適合しているかを確認します。そのうえで後から問題にならないよう、車両の状態について譲渡先との合意をするようにします。

名義変更の法的要件

道路運送車両法13条1項により、新規登録を受けた自動車について所有者の変更があったときに名義変更(移転登録)の申請が必要になります。その場合には15日以内に名義変更手続きをしなくてはなりません。

名義変更の手続き

実際の手続きについて、手続き後まで順を追って説明していきます。

必要書類の準備

名義変更手続きは、他者に代行してもらえますが自社でも可能です。
他者に名義変更を依頼する場合の必要書類は以下の通りです。

  • ・旧所有者の実印を押印している譲渡証明書
  • ・旧新所有者の印鑑証明書(発行日から3ヵ月以内)
  • ・旧新所有者の実印を押印している委任状
  • ・期限が有効な車検証
  • ・新使用者の車庫証明書(発行日から1ヵ月以内)

自社で名義変更を行う場合の必要書類は、他者に必要な書類に加えて以下の通りです。

  • ・手数料納付書
  • ・自動車税(環境性能割・種別割)申告書
  • ・申請書(第1号様式)

地方運輸局での手続きプロセス

地方運輸局での手続きは、まず登録手数料の支払いを行なったのちに、書類を揃えて窓口に提出します。ミスや不備が見つからなければ、その場で車検証が手渡されます。その後、車検証の交付を受け窓口で税金の申告をして完了となります。

手続き後の登録証明書の更新

登録証明書(登録事項等証明書)で自動車の登録内容を確認することができます。発行に必要な書類には「申請書」「手数料納付書」「本人を確認する書面」があります。

名義変更後の責任とリスクの移転

名義変更が完了した後に有事が発生した場合のリスクについて説明します。

新所有者への法的責任の移転

名義変更が完了した時点で全ての責任は、旧所有者から新所有者に移譲します。社用車を譲渡した後に問題が発生しないように確実に完了させる必要があります。

保険と登録の更新

自賠責保険の契約は、契約者ではなく対象となる自動車に紐づいています。譲渡する時には必ず契約者の変更手続き(権利譲渡)をしなければなりません。手続きは契約手続きをした保険会社などで行えます。

任意保険の場合は、同居する親族などを除いて保険契約を譲渡することはできません。旧所有者は任意保険の解約手続き、新所有者は新たに任意保険の契約手続きが必要です。

譲渡後のリスク管理

社用車を譲渡した時には、必ず名義変更しましょう。 自動車税は4月1日時点の所有者に課せられます。もし名義変更がされていない場合には、譲渡した車であっても自動車税を支払わなければならなくなります。 また、譲渡した車が事故や違反を起こした場合、名義人である旧所有者の責任が問われる可能性や、慰謝料や違反金の支払い義務が発生することもあります。

保管場所にも注意が必要です。車庫法により、車の保管場所は所有者の本拠地から2kmを超えてはいけないとなっています。譲渡した車が2kmを超えて保管されている場合、旧所有者は「車庫飛ばし」として処罰される可能性があります。

廃車手続きの実施

さまざまな事情で社用車を廃車する日が来るかもしれません。その手続きについて説明していきます。

廃車前の準備

社用車の廃車には前準備が必要です。しっかりと備えておけるように説明していきます。

廃車する車両の選定

廃車を検討するのは、車両が故障した時や大きな事故を起こした時に、車両の価値より修理費用が大きくなる場合です。また、乗る機会が少ないのに駐車場代や税金、保険料などの維持費用を払っている場合に検討するもの一手です。

廃車に必要な書類の準備

廃車には「一時抹消登録」と「永久抹消登録」があります。どちらの処理をするかによって必要な書類が異なります。

「永久抹消登録」に必要な書類は以下の通りです。

  • ・自動車検査証
  • ・前後2枚のナンバープレート
  • ・申請書(OCR申請書第3号様式の3)
  • ・所有者の印鑑証明書(発行後3ヶ月以内のもの)
  • ・所有者の実印
  • ・リサイクル券に記載されている解体にかかる移動報告番号および解体報告番号

「一時抹消登録」に必要な書類は以下の通りです。

  • ・申請書(OCR申請書第3号様式の2)
  • ・手数料納付書

税金や返金の確認

自動車を所有していると税金や保険料などがかかりますが、廃車することによってその一部は戻ってきます。 還付金を受け取れる可能性があるのは「自動車税」「自動車重量税」「自賠責保険」「任意保険」の4種類になります。

廃車の登録抹消

廃車するには自動車の登録抹消が必要です。そのフローについて確認していきます。

地方運輸局での登録抹消手続き

「一時抹消登録」と「永久抹消登録」では必要な手続きも異なります。

「永久抹消登録」に必要な手続きの手順は以下の通りです。

  • 1. 必要書類を準備する。
  • 2. 管轄の運輸支局に行く。
  • 3. 永久抹消登録申請書に記入する。
  • 4. 必要書類と手数料を提出する。
  • 5. ナンバープレートを返納する。

「一時抹消登録」に必要な手続きの手順は以下の通りです。

  • 1. 必要書類を準備する。
  • 2. 管轄の運輸支局に行く。
  • 3. 一時抹消登録申請書に記入する。
  • 4. 必要書類と手数料を提出する。
  • 5. ナンバープレートを返納する。
  • 6. 自動車検査証返納証明書を受け取る。

廃車証明書の取得

廃車証明書も「一時抹消登録」と「永久抹消登録」で異なります。「永久抹消登録」は「登録識別情報等通知書」を受け取ります。「一時抹消登録」は「自動車検査証返納証明書」を受け取ります。

抹消後の書類管理

登録抹消時に発行された書類は、どこかのタイミングで必要になるかもしれません、大切に保管しすぐに取り出せるようにしておきます。

廃車処理業者との連携

実際の廃車処理はリサイクル業者が行います。信頼できる業者に依頼できるようフローについて確認していきます。

廃車処理業者の選定

廃車処理業者を選ぶ時には以下のポイントに注意します。

  • ・費用:「解体費用」「書類請求代行費用」「抹消登録代行費用」など。業者によって料金体系が異なる。
  • ・サービス内容:「自宅までの引取り」「書類手続きの代行」など。自社の希望にあった内容かどうか確認する。
  • ・評判:「インターネット上の口コミやレビュー」「接客応対」などを参考に評価する。
  • ・認可:一般社団法人自動車リサイクル推進協会が定める「自動車解体整備事業認証」を取得しているかを確認する。

自社の条件を明確にして、複数の業者から相見積もりを取ることが重要です。

車両の引き渡しと処理

車両に搭載されている自社の所有物や貴重品、情報などについて、悪意ある人の手に渡り機密が漏洩したり犯罪に巻き込まれたりしないように、譲渡前には必ず取り出すようにします。

まとめ

この記事では、社用車保険の途中解約、社用車の名義変更、社用車の廃車手続きについて説明してきました。どの手続きも頻繁に発生する案件ではないだけに、実際に手続きが必要になっても対応できないことが考えられます。内容をしっかりと理解し備えてください。

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