社用車として人気が高まっているカーシェアリングですが、「そもそもカーシェアリングについて良く知らない」といった方も多いのではないでしょうか。そこで今回は社用車のカーシェアリング導入をテーマにメリットやデメリット、戦略などを紹介します。

社用車としてのカーシェアリングの基本

社用車としてカーシェアリングを導入する際の基本を紹介します。
カーシェアリングの仕組みだけでなく、カーシェアリングのメリットやデメリットも紹介しますので、参考にしてみてください。

カーシェアリングの仕組みとは

カーシェアリングサービスの基本概念

カーシェアリングはサービスの会員登録を行うと、用意されている車を共同で使用可能なサービスです。
短時間もしくは短距離の利用もでき、便利なサービスとなっています。

予約から利用までのプロセス

カーシェアリングの会員登録は店舗に赴き、対面で入会する方法やインターネットを利用して入会する方法など様々です。
自分がやりやすい入会方法を選択しましょう。

カーシェアリングサービスの入会が完了したら、車を利用したい日時に合わせて予約をします。
予約日時になったら、車両ステーションに赴き、会員カード等を使って車を解錠します。
車の利用が終わったら、指定の車両ステーションに車を返却します。

カーシェアリングのメリット

コスト削減の可能性

社用車を導入する場合、車本体の購入費、保険料、税金など様々なコストがかかります。
また、ガソリン代や清掃費といった維持費も払い続けなければいけません。
その点、少ない料金で車を利用できるのは大きなメリットと言えるでしょう。

柔軟な利用スケジュール

カーシェアリングは24時間いつでも予約ができますので、自分の好きな時間に利用が可能です。
レンタカーだと短時間の利用が難しいものもありますが、カーシェアリングだと短時間の利用も可能です。

管理の手間削減

社用車を保有している場合、車検やメンテナンスが必須です。
しかし、カーシェアリングであれば、管理を会社がやってくれますので、手間を削減できます。

カーシェアリングのデメリット

利用可能車両の限界

ステーションにより車の利用可能台数が多いとは限らないため、希望の車種がない場合もあります。
特に連休や週末は利用者が多いため、早めの予約が必須と言えるでしょう。

利用時間や場所の制約

カーシェアリングは次の利用者のことを考えなければいけないため、返却の時間を気にしなければいけません。
また、カーシェアリングでは乗り捨てができないため、乗り捨てが必要な場合は、レンタカーの利用がおすすめです。

長期契約と比較したコスト

カーシェアリングには初期費用の他に月額料金や時間料金などが発生します。
車を利用していない月でも料金が発生してしまうため、レンタカーに比べて割高になる可能性があります。

社用車としてカーシェアリングを活用する戦略

カーシェアリングを社用車として活用する方法を紹介します。

事業のニーズに合ったサービスの選定

一例となりますが、展開している事業において車の利用時間がどれくらいかなのかを考え、一番お得となるカーシェアリングサービスを選んでみましょう。
あまり利用しないのに、月額料金がかかる会社を選んでしまうと、無駄なコストが発生するといったデメリットが考えられます。
このように事業に合わせてカーシェアリングの会社がマッチしているかは大切な部分と言えるでしょう。

サービスプランの比較

一口にカーシェアリングと言っても初期費用の有無や月額料金の有無など、サービスの中身は異なります。
自身が展開している事業に合ったカーシェアリングサービスを探すことが大事です。

利用規約の確認

カーシェアリングサービスを利用していたら、利用規約に違反しており、利用停止となっては最悪です。
このような状況を回避するためにも、契約前に利用規約は必ず確認しましょう。

カーシェアリングでのコスト管理

事業を継続する上で大事なのがコスト管理です。
せっかく売上が上がったとしてもコストがかさんでしまっては利益が残りません。
ここではカーシェアリングサービスのコスト管理をどのように行うと経営上有利なのか解説します。

利用料金の最適化

入会金や初期費用、月額料金、距離料金といった費用項目別にどれくらい費用が発生するのか試算して利用料金が最適なカーシェアリングサービスを利用しましょう。
頻繁に車を利用しないのであれば、繁忙期のみカーシェアリングサービスを利用するのも一つの手です。

長期利用の割引ポリシー

頻繁に車を利用する事業を展開している場合は、長期プランを採用することにより、利用料金を抑えることが可能です。

予約管理とキャンセルポリシー

コスト管理とは少々異なるのですが、車を使いたいときに漏れなく手配することも重要です。
カーシェアリングサービスは他の方も利用するサービスであることを忘れないようにしましょう。
また、車が必要でなくなった時のために、「いつまでにキャンセルできるか」も併せて確認が必要です。

効果的な社内ポリシーの確立

カーシェアリングを正しく利用するために、社内でカーシェアリングについての理解を深めることも大切です。
ここでは効果的な社内ポリシーの確立方法について解説します。

トラブル時の対応プロセス

カーシェアリングの利用時において、車の故障や盗難、損傷など、様々なトラブルが考えられます。
このようなトラブルが発生した場合は業務を優先するのではなく、カーシェアリング会社への連絡を先に行う必要があります。

カーシェアリングにおける法的・安全上の考慮

「カーシェアリングが法的にどのようなものか」、「安全を考慮するにはどのようにしたらいいか」について紹介します。

法的規制と保険の取り扱い

カーシェアリングの法的規則と保険の取り扱いについて紹介します。

カーシェアリングの法的側面

カーシェアリングはレンタカーと同様に道路運送法第80条1項（有償貸渡し）が適用されます。
元々はレンタカー車を想定した法律でしたが、カーシェアリングにも同様の法律が適用されているため、レンタカーと同じ感覚でカーシェアリングを利用可能です。

保険適用範囲とリスク管理

カーシェアリングでは「会員以外の方が運転した場合」や「事故時に警察へ届け出をしない」など状況によっては補償が適用されない場合があります。
事故を起こさないことを第一に考えるのはもちろん、事故が発生してしまった場合にどのような行動をとるのか、社員に共有しておくことが大切です。

安全運転と事故対策

カーシェアリングに限らずですが、運転時に事故を起こさないように安全運転や事故対策するのは大切です。
ここでは安全運転と事故対策について解説します。

安全運転のためのガイドライン

カーシェアリングは社員のみが運転する訳ではなく他の人も使用しています。
そのため、利用開始時に車体が安全に運転できない状態である可能性もあります。
運転前には必ず、座席の位置とハンドル、ドアミラー、ルームミラーの位置を合わせて、安全に運転できるようにしましょう。

事故発生時の対処法

事故発生時には「カーシェアリング会社への連絡」、「警察への届け出」を徹底しましょう。
また、補償を受けられなくなるような行為はしないよう社員に伝えておく必要があります。

緊急時の連絡体制

事故が発生してしまうと、普段冷静な方でもきちんと行動できない場合があります。
このような時のために、緊急時のフローを作成しておき、事故発生時に落ち着いて行動できる環境を作成しましょう。

データセキュリティとプライバシー

事業利用するのにカーシェアリングサービスのデータセキュリティやプライバシーが気になる方もいらっしゃるでしょう。
ここではカーシェアリング会社のセキュリティ面について紹介します。

個人データの取り扱い

カーシェアリング会社では個人の利用データをそれぞれの会社において厳格に、独自のルールを基に管理していますので、しっかりとしたセキュリティ対策を行っています。

カーシェアリングの将来性

レンタカーに負けず劣らずのカーシェアリングが今後どのような将来性があるのか紹介します。

カーシェアリング市場の動向

カーシェアリングの市場動向について紹介します。

カーシェアリングの普及状況

カーシェアリングはここ数年で大きく会員数を伸ばしており、ステーションの数も増えています。
国内では、2022年3月時点で、車両台数は車両台数は51,745台、会員数は2,636,121人、カーシェアリング車両ステーション数は20,371カ所となっています。
出典： カーシェアリングの動向整理

技術革新とサービス拡大

近年では駐車場会社がカーシェアリング事業に参入するといった業界規模の拡大がみられます。
また、カーシェアリング関連の技術革新も目覚ましく、「カーシェアリングアプリを入れていれば予約だけでなくスマホで施錠ができる」といった技術も登場しています。

環境対応と持続可能性

カーシェアリング会社の中には環境に優しい車を用意しているところもあります。
また、カーシェアリングの利用は車を購入する場合に比べて、環境負荷が少ないのも持続可能な社会を目指す上で重要です。