企業・従業員間カーシェアサービスについて解説
一般的にカーシェアリングというと、運営事業者に登録した会員同士で、希望のタイミングに自動車を共同使用するサービスをイメージするのではないでしょうか。
しかし最近では、企業と従業員の間で自動車をシェアできるサービスが普及してきています。
この記事では、企業・従業員間カーシェアとはどのようなサービスなのか、分かりやすく解説していきます。
企業・従業員間カーシェアサービスとは?
企業・従業員間カーシェアサービスでは、企業と従業員が1台の自動車を共有することが可能です。
自動車の有効活用、コスト削減、環境負荷低減、そして働き方改革など多くのメリットを生み出すサービスとなっています。
企業・従業員間カーシェアサービスの仕組み
これまでは、企業と従業員で自動車を共有したくても、様々な課題がありました。維持コスト、事故や盗難などの責任所在、従業員の自動車保険加入管理などです。
企業・従業員間カーシェアサービスのシステムでは、その課題を解消しています。
従業員は、スマートフォンやタブレット専用のアプリを操作、もしくは車載器のスイッチの切り替えで社用車のビジネス利用とプライベート利用を管理することができます。
稼働状況については、自動車に取り付けた車載器から送信される稼働データと、アプリの利用データを紐づけることで、ビジネス利用とプライベート利用の区分を判定することが可能です。
企業・従業員間カーシェアサービスの利用方法
従業員はアプリや車載器の機能を使用してサービスを利用できることが分かりました。
ここからはもう少し細かく、利用方法について説明していきます。
基本的な利用方法
サービスにより異なりますが、アプリを利用するものと車載器を利用してビジネス利用とプライベート利用の切り替えを行うものがあります。
アプリを利用するタイプは、従業員が社用車をプライベートで利用する時には、アプリを操作し社用車の利用開始を宣言します。
プライベート利用が終了した時には、利用終了をインプットすることで、簡単に管理することができます。
車載器で切り替えを行うタイプは、ICカードを使って従業員を認証し、車載器のスイッチでビジネス利用とプライベート利用の切り替えをします。
企業はこのデータに基づき、従業員にプライベート利用分の費用明細を提供し、給与から天引きすることができます。
さらに、共同使用料という形で、社用車のプライベート利用分の費用を従業員から徴収することも可能です。
企業・従業員間カーシェアサービスのメリット
このサービスを利用することで、企業と従業員はそれぞれに多くのメリットを受けられます。メリットをひとつずつ説明していきます。
企業のメリット
まず、企業のメリットにはどのようなものがあるのかを見ていきましょう。
経費の削減
企業がカーシェアサービスを利用すると、夜間や休日などの遊休時間に、プライベートで社用車を利用した時間の費用は従業員が負担します。
維持費が按分されますので、トータルの経費は圧縮されます。
企業と従業員がコストをシェアすると、リース料や駐車場代など社用車にかかる維持費が削減されるため、企業の経済的負担軽減が期待できるでしょう。
また、このサービスはコスト削減だけではなく環境対策にも寄与します。
企業と従業員のトータルで自動車保有数が減少しますので、道路の混雑が緩和され渋滞解消につながります。
さらに、CO2排出量も削減されることから、企業が環境に配慮していることをアピールできる機会を創出します。
従業員の満足度向上
企業が提供する福利厚生は、従業員の満足度を向上させる重要な要素の一つです。
福利厚生としてカーシェアサービスを提供することで、従業員は自身の働く環境をより良く感じ、採用率や定着率の向上につながるでしょう。
また、企業からのサポートを感じることで、従業員は企業への忠誠心を高め、仕事のパフォーマンス上昇も期待できます。リスク管理の強化
サービスの利用により、車検、定期点検、保険などの車両管理が厳格化されます。
その結果、企業は車両の安全性を確保し、コンプライアンスの遵守が可能になります。
従業員は安心して社用車を利用することができ、企業が従業員の安全を最優先する姿勢は、信頼感の醸成にもつながります。
さらに、サービス運営会社によっては、適切な保険の提案、車検や定期点検の代行など、さまざまな車両管理に関するサービスを提供しますので、車両管理工数の削減が期待できます。
従業員のメリット
つぎに、従業員のメリットにはどのようなものがあるのかを見ていきましょう。
マイカー購入費・維持費の削減
企業がカーシェアサービスを利用すると、従業員は自家用車を保有する必要がなくなります。
その結果、車両購入費や保険料、定期点検や車検費用など、車両にかかる維持費を大幅に削減することができます。
自動車関連の出費が減ることで、生活の質を向上させることが可能となります。貯蓄や投資、教育や食事、レジャーなどに費用を回すことができますので、将来や緊急時の備えにも役立ちます。
カーシェアやレンタカーより便利でお得
レンタカーや一般的なカーシェアよりも安価に社用車を利用できます。これは、企業と従業員が車両を共有することで、コストも共有するからです。
また、アプリを通じて簡単に予約が可能となり、レンタカーや一般的なカーシェアに比べて手続きが簡単です。
予約手続きや料金支払いの手間を省くことができますので、従業員の時間を節約できます。
時間の有効活用
社用車をプライベート利用することで、従業員は通勤も勤務中も同じ車両を使用することが可能です。
一日のなかで車両を乗り換える手間が省け、効率的に時間を活用することができます。
その結果、時間の余裕が生まれ、余剰時間を有効に活用することが可能です。
自己啓発や趣味、家族にこれまで以上に時間を割くことで、従業員は生活の柔軟性を手に入れられるのです。
おすすめの企業と従業員間でシェアするカーシェアサービス
ここからは、おすすめのサービスについて紹介していきます。自社のニーズに最適なサービスを選択する際の参考にしてください。
Scash(スカッシュ)
特徴
「Scash(スカッシュ)」は住友三井オートサービス株式会社が運営しています。
車両に取り付けたテレマティクス車載器から車両の稼働データが送信され、スマートフォンやタブレット用アプリの利用データを紐づけることで、ビジネスとプライベートの利用区分を判定します。
従業員には、利用実態に即したプライベート分の費用明細を提供します。
また、万が一の事故の際には、ビジネスとプライベートの区分に応じた事故対応をすることも可能です。
プライベート事故のリスクを最小化する保険の提供もしています。
そして、借上した車両でサービスを導入し、社用車に切り替えた場合には、企業イメージに合致した車種やカラー選定が可能となります。さらに、エコカーの導入により、環境対策へのアピールも可能です。
プラン
詳細なプランにつきましては、公式ホームページからお問い合わせください。
URL
https://www.smauto.co.jp/service/details/scash/しぇあくる
特徴
「しぇあくる」は株式会社スマートバリューが運営しています。専用の車載機とICカードを使用することで、従業員のビジネス利用かプライベート利用かを区別し、その後の料金計算や決済までを実施することができます。
独自の管理システムを使用して、社用車の予約状況や運行結果を確認でき、企業の車両管理としての活用も可能です。
車載器は、ICカードを使って従業員を認証し、スイッチでビジネス利用とプライベート利用を切り替えます。
複数のプランがあるのも魅力的です。
社有車を従業員とシェアするためのプランだけでなく、従業員の自家用車を法人とシェアするためのプランもあります。
プラン
- ・しぇあくるME:1台の占有利用におすすめのプラン。「定額制」でビジネスとプライベートに使い分け。
- ・しぇあくるWE:複数名での共有利用におすすめのプラン。利用時間に応じてプライベートに利用した分だけ料金を精算。
- ・しぇあくるU:マイカーのビジネス利用におすすめのプラン。コンプライアンスを遵守し、ビジネスに使用した分だけ借り上げ料を精算。
URL
https://www.smartvalue.ad.jp/business/iot_platform/sharekul/Booking Car
特徴
「Booking Car」はトヨタモビリティサービス株式会社が運営しています。
スマートフォンやタブレット用の専用アプリで、簡単に社用車の予約管理ができます。予約から鍵の利用、返却まで全て専用アプリひとつで完結することが可能です。
また、社用車の運行状況は、利用後に運行記録として自動で生成し出力できますので、日報作成や別データと突き合わせる手間なく、事務業務の時間削減に寄与します。
そして、サービスの管理画面で社用車の利用状況が一目瞭然になります。社用車の最適な運用を図れます。
オプションになりますが、キーボックスを導入することで、鍵の受け渡しを24時間365日無人で行えます。
鍵の取り出しも専用アプリでできるため、手動で鍵をやりとりする必要はありません。
プラン
- ・Booking Car:従業員数無制限。ビジネス利用とプライベート利用の管理を含んだプラン。
- ・Booking Car LIGHT:従業員数無制限。ビジネス利用の管理に特化したプラン。
URL
https://site.bookingcar.jp/まとめ
企業・従業員間カーシェアサービスは、社用車を最大限に有効活用し、コスト削減や従業員の満足度向上、リスク管理強化に寄与します。
そして環境に配慮した企業としてのイメージ戦略もできる、良いことづくめのサービスです。ぜひ導入を検討されてはいかがでしょうか。