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社用車の運転日報とは?記載内容や効率的な管理方法について解説

oPPice編集部

社用車の運転日報とは?記載内容や効率的な管理方法について解説

運転日報とは

運転日報は、ドライバーが日々の運転状況や業務内容を記録するための文書です。

特に運送業やタクシー業界では、安全性や運行効率の向上に欠かせない役割を果たしています。運転日報には、ドライバーの氏名や運転前後の車両点検、車両の運行に関する詳細が記録され、事故やトラブルが発生した際の重要な証拠としても活用されます。

運転日報にはドライバーの氏名や運転した日時、走行距離、給油量、運転前後の車両点検結果などの基本情報が記載されます。

これにより、企業内では従業員の就業状況や保有車両の状態を把握し、業務改善や安全対策を講じるための貴重なデータとなるのです。運転日報を使って定期的に情報を確認し共有することで、業務の改善につながります。

運転日報の作成は義務?

運転日報の作成は、すべての事業所において義務付けられているわけではありませんが、特定の条件を満たす事業所には法律に基づいて義務があります。

運転日報の作成が義務付けられている事業所

運転日報の作成が義務付けられている事業所は以下の通りです。

緑ナンバー車両を使用する事業所

緑ナンバー車両を運用する企業には、貨物自動車運送事業輸送安全規則により運転日報の作成が義務付けられ、ドライバーごとに記録と保存が必要です。これは、事故やトラブル発生時に日報が証拠となるからです。

この規制は、一般貨物運送業や旅客運送業で共通して適用され、バスやタクシーの事業者にも及びます。そして、旅客自動車運送事業運輸規則により、乗務記録の管理も徹底されています。

運送業では特定の車両数に応じた運行管理者の配置が義務づけられています。具体的には、29台までの車両を保有する事業所には、1名の運行管理者が必要です。30台ごとに1名の運行管理者を追加で配置する必要があります。これは、安全で効率的な運行を促進するために不可欠な対策といえるでしょう。

運行管理者の業務は、事業用自動車の運行をはじめとして、乗務記録の管理を担う重要な役割です。ドライバーの勤務状況を詳細に把握し、長時間労働による過労、運転事故、過積載などの防止を図ります。

運転者管理についてはこちらの記事もご覧ください。
https://oppice.parkingmarket.co.jp/article/manegement/382/

白ナンバー車両を規定台数以上使用する事業所

白ナンバー車両を5台以上、または乗車定員11人以上の車両を1台以上保有する企業は、運転日報の作成義務があります。また、安全運転管理者の選任が必要です。安全運転管理者は、運転日報の作成や記録の管理を担い、事業の運行管理が適切に行われるように努めます。

白ナンバー車両でも業務に使用される場合、運転日報の記録・管理が重要となります。規制があることを理解し、適切な対応が必要です。

安全運転管理者についてはこちらの記事もご覧ください。
https://oppice.parkingmarket.co.jp/article/manegement/1038/

運転日報の管理

運転日報の管理は、運行の安全性を高めるために非常に重要です。ここでは、運転日報に記載すべき内容や保存期間、作成義務を怠った場合の罰則について詳しく見ていきます。

運転日報へ記載する内容

運転日報には、運転した日付、ドライバーの氏名、車両のナンバー、運行経路、運行時間、荷物の積載状況、運転中のトラブルなど、さまざまな情報を記載する必要があります。

緑ナンバー車両を使用する事業所の場合

緑ナンバー車両を使用する事業所では、運転日報に以下の情報を記載することが求められています。この詳細な情報は、事故やトラブル発生時の調査に活用されます。

運転日
日報作成の日付を明確に記載します。記録がどの日に作成されたかが把握できます。

ドライバーの氏名

運転を担当した者のフルネームを記録し、責任の所在を明らかにします。

車両のナンバー
使用する車両が特定できるように、ナンバープレートを記載します。これによって管理や追跡が容易になります。

運行経路
出発地点から目的地までの詳細な経路を記録します。運行の効率化や問題発生時の分析に役立ちます。

運行時間
出発時刻と到着時刻を記録することにより、運行のスケジュール通りかを確認しやすくなります。

走行距離
出発時と到着時のメーター数値を記録し、実際の走行距離を把握します。燃費管理や車両メンテナンスの計画に活用できます。

荷物の積載状況
運んでいる荷物の詳細を記載し、荷物の安全管理と運行効率の向上に繋げます。

トラブルや事故の有無
運行中に発生した問題や事故について詳細を記録し、改善策や予防策を考える際の重要なデータとします。

発車及び到着した地点、主な経過地
運行全体を把握するため、出発地点、到着地点、それぞれの時刻、および通過した地点を記録します。これにより運行状況の正確な追跡が可能になります。

業務上で交替した地点
運転手の交代が発生した場合、その地点と時刻を明確に記録します。責任所在が明確になり、労務管理にも役立ちます。

休憩した地点及び休憩時間
運転手が休憩した場所と時間を記録することで、労働時間の適正管理と安全運転の確保につなげます。

運行経路等の運行指示内容
運行管理者から受けた具体的な指示内容を記録します。指示通りの運行が行われたかの確認が可能となり、安全管理の向上に貢献します。

これらの情報は運行管理の改善に不可欠であり、効率的で安全な業務運営に貢献します。

白ナンバー車両を規定台数以上使用する事業所

白ナンバー車両を使用する事業所では、運転日報に以下の情報を記載することが求められています。これらの情報は、安全で効率的な運行管理に不可欠です。

必須項目は以下4項目です。

  • ・運転日
  • ・ドライバーの氏名
  • ・車両のナンバー
  • ・運行時間

業種や事業所の特性に応じて以下の3項目を記載するとよいでしょう。

運行経路
詳細な経路が求められる場合、出発地点から目的地までを記録します。在庫管理や顧客サービスに特化した業種で役立ちます。

車両点検項目
車両の安全性を維持できるよう、日々の点検結果を記入します。

その他の特定情報
業務上特に必要とされる場合、たとえば特定商品の積載状況などを明記します。これにより運行効率と品質管理が強化されます。

これらの情報の記載により、事業所は安全かつ効率的な業務運営を遂行できます。

運転日報の保存期間

運転日報は、法律によって定められた期間、保存しなければなりません。

一般的には、最低1年間の保存が求められていますが、業種や業務の内容に応じて、より長い保存期間が必要になることもあります。これは貨物自動車運送事業輸送安全規則や道路交通法施行規則によるものです。

しかし、運転日報には運転手の労働時間が記載されるため、労働基準法の適用も受けることになります。この法律では、従業員の労働記録として書類を3年間保存することを義務付けています。そのため、企業としては最も長い3年間を基準に保存期間を設定することが望ましいといえます。

こうした運転日報の適切な保存は、過去の運行履歴を振り返る際に重要な役割を果たし、業務の効率化や問題の再発防止にも貢献します。さらに、監査や調査の際には、運転日報が透明性を確立するための有力な証拠となります。

運転日報の作成や保存の義務を怠った場合の罰則

運転日報の作成や管理、保存を怠ること自体には直接的な罰則規定はありません。ただし、運転日報の不備を調査し、安全運転管理者に関する法令違反が発覚した場合は処罰の対象となります。

具体的には、安全運転管理者を選定していない場合は50万円以下の罰金、選定後の未届け出の場合は5万円以下の罰金が科せられます。また、これらの違反状態で事故が発生した場合には、企業の社会的信用が著しく低下する可能性もあります。

特に運送業においては、巡回指導の際に運転日報を通じて、安全運転管理の実施状況が確認されるため、適切な作成と保管が求められます。法令遵守と安全管理の観点から、運転日報は確実に管理することが重要です。

運転日報を効率的に管理するにはシステムの導入がおすすめ

運転日報の管理を効率化するためには、専用のシステムを導入することが非常に有効です。

紙の運転日報では、記入ミスや集計作業に時間がかかり、データの分析や保管にも手間がかかります。人的エラーや業務の非効率化につながるため、近年では、運転日報のデジタル化が進み、多くの企業がシステムを導入しています。

運転日報の自動作成が可能になる

システムを導入すると、運転日報を自動で作成することが可能になります。ドライバーはスマートフォンやタブレットを利用して、リアルタイムに情報を入力できるため、手作業の負担を大幅に軽減できます。これにより、ドライバーは運転そのものに集中できる環境が整い、安全運転の向上に寄与します。

また、自動作成された運転日報はデジタルデータとして管理されるため、紙の日報を保管する手間やスペースの問題も解消され、人為的な入力ミスを防ぐことができます。データベースに保存されることで、過去の日報を容易に検索したり参照したりすることも可能です。

ドライバーだけでなく、安全運転管理者の業務負担も軽減され、業務の効率化が期待できます。

アルコールチェックも合わせて管理できる

安全運転管理者の業務の1つとして、運転者の運転前後のアルコールチェックおよびその記録と保存があります。

近年では、運転日報を効率的に管理するためのシステムに、アルコールチェック機能を組み込むものが増えています。たとえば、クラウド型のアルコールチェッカーと連携し、検知したデータを自動的に運転日報アプリへ記録する機能がそれに当たります。

これにより、手入力による不正確な報告や検知漏れのリスクが軽減され、飲酒運転の防止により一層の効果が期待できるのです。このような一元化された管理システムを用いることで、運行全体の安全性を向上させることが可能です。運転日報への統合は効率化にとどまらず、ドライバーの安全を守るための有力な対策となります。

https://oppice.parkingmarket.co.jp/article/manegement/1042/

車両に係る情報を一元管理できる

運転日報をデジタルで管理することで、車両に関する情報を一元的に管理できるようになります。これにより、日々の記録の負担が大幅に減少し、業務効率が向上するだけでなく、管理者側にも多くのメリットがあります。

まず、データはリアルタイムで確認が可能となり、記録ミスや漏れを即座に指摘できます。

次に、必要なデータを部署や期間で簡単に絞り込みできるため、情報へのアクセスが手軽に行えます。従来の紙媒体では回収の手間がかかっていましたが、デジタル管理ならばその手間が不要となり、業務の負担が軽減されます。

さらに、アルコールチェックなど他のシステムと連携することで、確実かつ迅速に安全性を確認することが可能です。デジタル化により、情報の一元管理が実現し、効率的で安全な運行管理をサポートします。

おすすめの運転日報を管理できるシステムやアプリ

最後に、おすすめの運転日報を管理できるシステムやアプリを紹介します。

DriveReport

NTPシステム株式会社が運営しています。

特徴

DriveReportは、スマートフォンアプリを活用し、社用車の運行日報の作成を簡単かつ正確に実現するサービスです。

特徴として、スマートフォンでメーターを撮影するだけで走行距離が自動的に反映されます。デジタルODOメーターに対応しており、記入ミスや記入忘れを効果的に防いで、業務効率を大幅に向上させます。

AndroidとiOSの両方のスマートフォンに対応しており、PCからも操作が可能です。データはAWSを利用したクラウドで一元管理されているため、高い安全性を確保しながら、必要な時にいつでもデータにアクセスできます。

管理者は、全車両と全社員の利用状況をPCから一括確認できるため、記録の紛失や収集にかかる手間を大幅に削減できます。また、法改正に対応したアルコールチェック機能も搭載されており、Bluetooth対応機器との連携も実現しています。

コスト面でも優れており、初期費用なしの月額330円で社用車1台から利用可能です。複数の社員が同じ車両を使用する場合でも追加料金は発生しません。

このように、DriveReportは社用車の運行管理を効率化し、安全運転を促進する有用なツールです。

費用

月額:330円/1台

URL

https://www.ntp-system.com/business/DriveReport/

どらたん

株式会社NX総合研究所が運営しています。

特徴

どらたんは、LINEアプリを活用した運行管理ツールで、ドライバーの労働時間や作業内容を簡単に記録できるシステムです。手持ちのスマートフォンを使って、特別な機器は必要なく、低コストで導入可能です。中小規模の運送会社やITリテラシーに不安がある企業・ドライバーにも適しています。

どらたんは、ドライバーがLINE上で入力したデータを基に運転日報を自動生成します。手書きの手間を省き、パソコンで簡単に確認可能なため業務の効率化が図れます。運転日報には、ドライバーの労働時間や作業内容、場所などが記録され、業務の把握が容易になります。

また、どらたんは集配先別の手待ち時間や荷役時間、付帯作業時間なども記録・分析します。これにより、ドライバーの働き方の見直しや労働環境の改善に寄与し、業務の効率化と透明性を向上させます。リアルタイムで運行状況を把握できるため、電話連絡の手間も削減され、荷主や元請業者との情報共有も容易です。

費用

月額:基本使用料(5,000円)+利用者料金(500円×人数)

URL

https://www.doratan.jp/

Offseg(オフセグ)

株式会社デンソーテンが運営しています。

特徴

Offsegは、企業の運営効率を向上させる通信型ドライブレコーダーを用いた安全運転管理テレマティクスサービスです。約360°の車両周囲を録画し、昼夜を問わず鮮明な映像を提供することで、安全運転の促進と事故防止をサポートします。

このシステムの重要な機能の一つが運転日報の自動作成です。記録された運転データを基にして、日報や月報が自動的に生成されるため、ドライバーと管理者の作業時間を大幅に削減し、情報の一元化を実現します。こうした機能により運転管理が効率化され、業務の負担が軽減されます。

その他の機能として、AI技術による事故要因の検出と自動警告・通知機能、ヒヤリハット映像からのeラーニング用教育資料の自動作成・配信、さらにアルコール検知システムとの連携機能などが備わっています。これにより、車両管理や安全運転教育が効率化され、事故削減と安全運転管理の総合的な自動化を実現し、企業における車両管理業務を大幅に改善します。

費用

機器買取プラン
月額 2,310円~/1台
ドライブレコーダー本体価格とオプション品を購入し、サービス料を月額で支払うプラン
車載器の設置作業については別途見積りが必要

URL

https://www.denso-ten.com/jp/offseg/

まとめ

運転日報は、企業とドライバーにとって重要な役割を果たしています。運行の安全性や効率を向上させるために、運転日報の作成や管理は欠かせません。特に、法律で義務付けられている事業所においては、適切な運転日報の作成と保存が求められます。

また、運転日報の管理を効率化するためには、デジタル化や専用システムの導入が効果的です。これにより、運転業務の安全性が高まり業務の効率性も向上します。運転日報を適切に管理し安全な運行を維持することが、企業にとって重要な責任であるといえるでしょう。

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